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労災の認定と因果関係の中断


労災が認定された後、業務以外の理由で症状が悪化した場合、労災保険ではどのように扱われるのでしょうか?

業務上の傷病による療養中の災害

 労働者が業務上負傷し、又は疾病にり患した後、症状固定前に、業務以外の事由によって、その傷病が悪化したり、死亡する場合があります。

 このようなケースは、①労災発生→②療養中→③症状悪化という経緯をたどっています。③の悪化した症状が、労災と認められるか?という問題があります。

 労災と認められる?かは、③が、労災と認められた①の傷病と相当因果関係があるかどうかで決まります。

 当初の業務上の傷病と相当因果関係があれば、業務上災害の原因となった業務との間にも因果関係が連続していて、業務起因性が認められます。当初の業務上の傷病と相当因果関係がなければ、業務との間に因果関係はなく、業務起因性は中断されていることになります。この問題は、因果関係の中断として議論されています。

因果関係の中断が問題になる類型

 因果関係の中断が問題になるのは、主に次の4つの場合です。それぞれの類型について簡単に触れておきます。

①当初の業務上の傷病と現在の死傷病との間に条件関係がない場合

 Aがなくても、A’は生じたという関係です。この場合は、当然、労災と認定されることはありません。

②当初の業務上の傷病と現在の死傷病との間に条件関係は存在する場合

 業務起因性の有無は、業務と災害との間に相当因果関係があることが必要です(労災の認定と業務起因性参照)。したがって、条件関係があるだけでは、労災と認定することはできません。

 業務上の傷病の治療のための通院途中で交通事故に遭い、さらに負傷した場合や、業務上の傷病の治療中に医師の指示に反してスポーツなどを行い、さらに負傷した場合などがこの類型に該当します。

③当初の業務上の傷病と現在の死傷病との間に因果関係が存在する場合

 業務上の傷病の治療のための通院途中に交通事故に遭い、死亡した場合、業務上の傷病の治療中に医師の医療過誤で死亡した場合などがこの類型に該当します。また、業務上の傷病のために療養中に気温の激変で病状が悪化して死亡したという場合もこの類型に該当するといえます。

④現在の死傷病の発症に自己又は他人の故意行為が介在している場合

 この場合、通常、条件関係はあったとしても、因果関係まで認められることはなく、労災と認定されません。

現在の死傷病が労災と認められる場合

 次のいずれかに該当する場合は、当初の業務上の傷病との間に相当因果関係が認められます。したがって、労災と認定されます。

当初の業務上の傷病との間に相当因果関係が認められる場合

(1)当初の業務上の傷病が生じなければ、業務外の災害も生じなかったであろうし、この災害が生じなかったら、現在の死傷病も生じなかったと認められる場合

(2)当初の業務上の傷病が生じなったとしても、業務外の災害は生じ得たであろうが、この災害が療養中に通常生じ得るもの又は避けられないと認められ、かつ、当初の業務上の傷病がなければ、業務外の災害が生じたとしても、現在の死傷病は生じなかったと認められる場合


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