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電離放射線障害の労災認定基準②


電離放射線障害の労災認定基準に関して、疾病の認定を取上げます。

電離放射線に係る疾病の認定基準について(昭和51年11月8日基発810号)

 電離放射線障害は、認定基準が定められています。認定基準は、①電離放射線障害の類型と②疾病の認定について言及しています。

にゃソラ

類型については、以下の「電離放射線障害の労災認定基準」を参照

電離放射線障害の労災認定基準

労災の業務上疾病の内、電離放射線障害について、労災認定基準の電離放射線障害の類型を解説します。

疾病の認定

 電離放射線に被曝する業務に従事し、又は従事していた労働者に電離放射線障害の類型のうち、急性放射線症・急性放射線皮膚障害・慢性放射線皮膚障害・放射線造血器障害(白血病、再生不良性貧血を除く)・白血病又は白内障が発生した場合で、以下の要件を充足し、医学上療養が必要と認められる場合は、業務上疾病として労災と認定されます。

急性放射線症

 急性放射線症の認定要件は、次のとおりです。

急性放射線症が労災と認定される要件

(1)比較的短い期間に相当量の電離放射線を全身又は身体の広範囲に被曝した事実があること。

(2)被曝後数週間以内に発生した疾病であること。

(3)次の①から④までに掲げる症状のうちいずれかの症状が認められる疾病であること。

 ①はき気・嘔吐等の症状

 ②不安感・無力感・易疲労感等の精神症状

 ③白血球減少等の血液変化

 ④出血・発熱・下痢等の症状

急性放射線皮膚障害

 認定要件は、以下のとおりです。

急性放射線皮膚障害が労災と認定される要件

(1)比較的短い期間に相当量の電離放射線を皮膚に被曝した事実があること。

(2)被曝後おおむね数時間又はこれを超える期間を経た後に発生した疾病であること。

(3)充血・紅斑・腫脹・脱毛等の症状が認められる疾病であること。

 ただし、以下の3つの場合は、上記の要件に関わらず、業務上疾病として取り扱われます。

 ①労働者が大量の電離放射線に被曝したことにより発生した疾病で、被曝後おおむね1日以内の間に発症する一過性の初期紅斑を伴うもの

 ②大量の電離放射線に被曝したことにより発生した疾病で、水泡・び爛のような強度火傷と同様の症状が認められるもの

 ③比較的短い期間に相当量の電離放射線に被曝することにより発生した急性放射線皮膚障害が治ゆしないうちに引き続いて生じた難治性の慢性皮膚潰瘍又は治ゆした後に再発した難治性の慢性皮膚潰瘍が認められる疾病

慢性放射線皮膚障害

 慢性放射線皮膚障害の認定要件は、以下のとおりです。

慢性放射線皮膚障害が労災と認定される要件

(1)相当量の電離放射線を皮膚に慢性的に被曝した事実があること。

(2)被曝開始後おおむね数年又はこれを超える期間を経た後に発生した疾病であること。

(3) 乾性落屑等の症状を経過した後に生じた慢性潰瘍又は機能障害を伴う萎縮性瘢痕が認められる疾病であること。

放射線造血器障害

 放射線造血器障害の認定要件は、以下のとおりです。

放射線造血器障害が労災と認定される要件

(1)相当量の電離放射線に慢性的に被曝した事実があること。

(2)被曝開始後おおむね数週間又はこれを超える期間を経た後に発生した疾病であること。

(3)白血球減少等の血液変化が認められる疾病であること。

白血病

 白血病の認定要件は、次のとおりです。

白血病が労災と認定される要件

(1)相当量の電離放射線に被曝した事実があること。

(2)被曝開始後少なくとも1年を超える期間を経た後に発生した疾病であること。

(3)骨髄性白血病又はリンパ性白血病であること。

白内障

 白内障の認定要件は、以下のとおりです。

白内障が労災と認定される要件

(1)相当量の電離放射線を眼に被曝した事実があること。

(2)被曝開始後少なくとも1年を超える期間を経た後に発生した疾病であること。

(3)水晶体混濁による視力障害を伴う白内障であること。


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