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赤外線による眼疾患・皮膚疾患の労災認定基準


労災の業務上疾病の内、赤外線による眼疾患・皮膚疾患の労災認定基準を取上げます。

赤外線による眼疾患・皮膚疾患

 労基法施行規則は、赤外線にさらされる業務による網膜火傷・白内障等の眼疾患、皮膚疾患を業務上疾病として例示列挙しています(別表第1の2第2号2)。

赤外線ばく露により眼部疾患・皮膚疾患が発生しやすい業務

 赤外線は、可視光線より波長が長く、760ナノメートル以上でマイクロ波より短い波長の電磁波のことです。

 恒常的に赤外線を受けると、眼のように表皮が弱く、透過性性質のある部位では、皮膚に損傷を起こさない程度の弱いエネルギー量でも長期間ばく露を受けると、障害が起きることがあります。特に、760ナノメートル~1400ナノメートルの範囲の近赤外線に眼がばく露させると、眼底にまで達して、網膜火傷や白内障の原因になります。

 赤外線のばく露により、障害が起きやすい作業としては、以下のものを挙げることができます。

赤外線のばく露によって、障害が起きやすい作業

①赤外線による乾燥を行う作業

②各種の炉作業

③ガラス炉、ガラス吹作業

④鋳物作業の注湯、熱処理を行う作業

⑤パン焼作業

⑥溶接作業

眼疾患

 赤外線による眼疾患としては、後極性白内障・網膜火傷・眼瞼縁炎・角膜炎・調節障害・早期老眼・虹彩萎縮・黄斑変性等があります。

 後極性白内障は、10年~15年以上の長期間就労している労働者に発生する慢性疾患と言われています。視力が徐々に低下し、水晶体の後極の後嚢直下の皮質が混濁し、瞳孔領内に白濁が生じます。

皮膚疾患

 皮膚疾患としては、火傷を挙げることができます。

労災認定基準

 赤外線による眼疾患・皮膚疾患が労災と認定されるには、以下の4つの要件を充足していることが必要です。

赤外線による眼疾患・皮膚疾患が労災と認定される要件

(1)当該作業条件、作業従事期間等からその有害程度が当該疾病発生原因とするに足りること

(2)当該疾病に特有な症状又は医学的経験則上、通常起こり得ると認められる症状が出現していること

(3)業務に起因しない他の原因によるものでないこと

(4)医学上療養が必要と認められる症状であること


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