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出張中の災害と労災の認定


労働者の出張中に発生した災害は、労災と認められますか?

出張中の災害

 一般的に、出張とは、事業主の包括的又は個別的な命令により、特定の用務を果たすため、通常の勤務地を離れ用務地へ赴き、用務を果たして戻るまでの一連の過程を含みます。

 出張は、労働者が用務について包括的に使用者に対して責任を負っていると考えられます。したがって、特別の事情がない限り、出張の全過程において使用者の支配下にあり、業務遂行性が認められます。

出張途上の災害

 前述のとおり、出張中は、出張の全過程について業務遂行性が認められると考えられます。学校の先生から「家に帰るまでが遠足」と言われたことがあるかもしれませんが、労働者が自宅を出て自宅へ戻るまでの間が、出張ということになります。

 つまり、労働者が合理的な順路・方法による出張途上にある場合、飲食等の私的な行為に関して生じた災害であっても、それが出張に通常伴う範囲内のものであれば、業務起因性が認められます。

 したがって、自宅から直接用務地へ向かう途中の災害は、業務上災害として判断されます。そうすると、通勤途上の災害が業務遂行性が認められないこととの違いが問題になります(通勤途中の災害と労災参照)。

 出張は、出張命令が出され事業場を離れると、事業場へ戻るまでの間について包括的に事業主に対して責任を負い、事業主の支配を受けていると考えられます。この点で通勤途中と異なっており、このような取扱いの違いが是認されると説明されます。

合理的な順路・方法

 合理的な順路・方法とは、出張用務外の私的目的で迂回順路をとるか、非常識又は特異な順路・方法による場合等を除いて、一般的に考えられる順路・方法によっていれば足りるという趣旨です。

 合理的な順路・方法を逸脱している場合、その間は業務遂行性が認められません。一時的に業務遂行性を失っても、通常の合理的な順路・方法に戻った場合は業務遂行性が認められます。

出張中の宿泊先での災害

 遠隔地での出張などで宿泊を要することがあります。宿泊を伴う場合、出張地における通常の場所に宿泊することについて、事業主の支配を受けており、その限りでは宿泊中も業務遂行性が認められます。

 ホテルや旅館内の通常の宿泊行為中の事故や食事による中毒死などは、特別の事情がない限り、出張業務に起因する災害として労災が認定されます。

 たとえば、酩酊状態で階段から落下した、映画を観に映画館に行って負傷した、歓楽街で飲み歩き交通事故に遭ったというような場合は、もはや業務遂行性は認められず、労災とは認定されません。

 宿泊に際して、事業主から宿泊先が指定されているにもかかわらず、労働者が自分の都合で他の宿泊先に宿泊した場合も業務遂行性は認められません。


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