労災の業務上疾病の内、クロム又は化合物による疾病の労災認定基準を取上げます。
クロム又は化合物による疾病の認定基準について(昭和59年12月4日基発第646号)
クロム又は化合物による疾病は、この認定基準に従って、労災認定が行われます。
労災認定基準
認定基準は、がんとそれ以外の疾病を区別しています。
がんについて
(1) クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務に従事した労働者に発生した肺がん又は上気道のがんで、以下の要件を満たすものは、労災と認定されます。
クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務に従事した労働者に発生した肺がん・上気道のがんが労災と認定される要件
①クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務への従事歴が4年以上である者に発生した疾病
②原発性の肺又は上気道のがんである
(2) 亜鉛黄又は黄鉛を製造する工程における業務に従事した労働者に発生した肺がんで、以下の要件を満たすものは、労災と認定されます。
亜鉛黄又は黄鉛を製造する工程における業務に従事した労働者に発生した肺がんが労災と認定される要件
①亜鉛黄又は黄鉛を製造する工程における業務への従事することにより相当程度のクロム化合物等のばく露を受けた労働者に発生した疾病
②原発性の肺がんである
がん以外の疾病
クロム化合物等のばく露を受ける業務に従事した労働者に発生した以下の疾病であって、医学上療養を必要とし、かつ、それらが当該業務以外の原因によるものではないと判断されるものは、労災と認定されます。
クロム化合物等のばく露を受ける業務に従事した労働者に発生したがん以外の労災と認定される疾病
(1) 皮膚障害
①一次刺激性接触皮膚炎、②アレルギー性接触皮膚炎
(2) 気道障害
①急性の呼吸器疾患、②鼻炎、鼻粘膜の潰瘍、副鼻腔炎その他の鼻の疾患、③慢性咽頭炎、慢性喉頭炎、慢性気管支炎等の呼吸器疾患、④アレルギー性喘息
(3) 前眼部障害
(4) 口腔粘膜障害
(5) 腎障害等の急性中毒