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すす、鉱物油、うるし、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患の労災認定


すす、鉱物油、うるし、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患の労災認定を取上げます。

すす、鉱物油、うるし、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患

 すす、鉱物油、うるし、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患は、業務上疾病として扱われます(労基法規則別表第1の2第4号3)。

すす・鉱物油・うるし・タール・セメント・アミン系の樹脂硬化剤等

 すすは、石炭等が不完全燃焼して発生した無定形炭素です。工業製品としては、カーボンブラック等があります。

 鉱物油は、植物性油に対する鉱物性油を総称するものです。石油・ケツ岩油や石炭系油等があります。

 うるしは、主成分としてウルシオールを含有するウルシ科の植物から得られる天然樹脂です。

 タールは、芳香族高分子炭化水素等の化合物を多種類含有する石炭等を乾留して得られる黒色ないし黒褐色の粘稠性物質のことです。

 セメントは、気硬性、水硬性その他の特殊な工業用途に供するため各種の物理化学的性質を有し、水で練ったときに、硬化性を示す粉末状の無機物質です。

 アミン系樹脂硬化剤は、接着剤、表面被覆剤、塗料等としてエポキシ樹脂に混入して用いられるアミノ基を有する樹脂硬化剤です。ジエチレントリアミン・トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン類及びフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類があります。

 その他には、ガラス繊維・ゴム添加剤等が挙げられます。

すす・鉱物油・うるし・タール・セメント・アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務

 すす・鉱物油・うるし・タール・セメント・アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務としては、以下のようなものが挙げられます。

すす・鉱物油・うるし・タール・セメント・アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務

(1) すす:カーボンブラックの製造又は加工(黒色印刷インキの原料、ゴム配合剤等)・黒鉛の製造・煉炭の製造等の業務

(2) 鉱物油:切削油等の潤滑油・電気絶縁油又は熱処理油の製造又は取扱い業務等

(3) うるし:うるしの栽培・うるし液の採取・漆器用又は塗料用のうるし製造の業務等

(4) タール:タールの分留又は加工(エナメル・電極等の製造)の業務・コークス炉作業に係る業務等

(5) セメント:混合セメントの製造・セメント製品の製造の業務等

(6) アミン系の樹脂硬化剤:エポキシ樹脂接着剤・表面被覆剤(コンデンサー・トランス等)・塗料等の製造や加工及び取扱い業務等

皮膚疾患

 すすによる皮膚疾患には、皮膚の角化等の病変が挙げられます。

 鉱物油による皮膚疾患には、急性皮膚炎(かぶれ)、油疹(毛包炎又は毛嚢炎ともいう。)等が挙げられます。色素沈着とイボの形成がみられることがあります。

 うるしによる皮膚疾患には、うるしかぶれと呼ばれる感作性皮膚炎が挙げられます。

 タールによる皮膚疾患には、湿疹、皮膚角化等の病変及びタール座瘡が挙げられます。色素沈着とイボの形成がみられることがあります。

 セメントによる皮膚疾患には、セメント皮膚炎が挙げられます。アミン系の樹脂硬化剤による皮膚疾患には、主として脂肪族ポリアミン類によるじん麻疹及び主として芳香族アミン類による接触性皮膚炎が挙げられます。


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