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塩化ビニルばく露作業従事労働者に生じた疾病の労災認定基準


労災の業務上疾病の内、塩化ビニルばく露作業従事労働者に生じた疾病の労災認定基準を取上げます。

塩化ビニルばく露作業従事労働者に生じた疾病の業務上外の認定について(昭和51年7月29日基発第556号)

 塩化ビニルばく露作業従事労働者に生じた疾病は、この認定基準に従って、労災認定が行われます。

塩化ビニル

 塩化ビニルは、無色の気体でエーテル臭を呈する物質です。

 塩化ビニルのばく露を受ける業務として、塩化ビニルの重合・ポリ塩化ビニル(塩化ビニル重合体)の乾燥業務が挙げられます。

 また、ポリ塩化ビニル製造工程中、最も高濃度の塩化ビニルばく露を受けるおそれがある作業が、重合槽内の作業です。

塩化ビニルによる健康被害

 塩化ビニルモノマー重合工程等において、塩化ビニルにばく露する作業に従事した労働者に発生した疾病には、①急性ばく露によるのものと②慢性ばく露によるものがあります。

①急性ばく露による障害

 めまい、羞明、吐気、見当識障害等の自他覚症状を伴う中毒症状のほか、急性の高濃度ばく露による中毒症状としては重症の不整脈、虚脱、意識喪失があり、場合によっては死亡に至ることもあります。

②慢性ばく露による障害

 慢性ばく露による障害として、以下のものが挙げられています。

慢性ばく露による障害

①肝血管肉腫

②肝脾腫、食道及び胃の静脈瘤、門脈圧亢進、血小板減少等を伴う肝脾症候群

③指端骨溶解

④強皮症様皮膚病変

認定基準

 認定基準は、次のとおり疾病ごとに基準を設けています。

悪性腫瘍

(1)肝血管肉腫

 塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した肝血管肉腫で、以下の要件をも満たすものは、労災と認定されます。

塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した肝血管肉腫が労災と認定される要件

①塩化ビニル重合工程における塩化ビニルばく露作業従事歴が4年以上の者に発生

②原発性のもの

(2) (1)以外の悪性腫瘍

 塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した悪性腫瘍のうち、肝血管肉腫以外の腫瘍については、現時点ではその発生と塩化ビニルヘのばく露との関連が必ずしも明らかでなく、個々の事案について慎重な検討を要するので、作業内容、従事期間、ばく露した化合物の種類、ばく露の程度、症状(病理組織学的検査剖検等の所見を含む。)等を調査のうえ本省にりん伺することとされています。

肝脾症候群

 塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した肝脾症候群については、上記の症状を伴うことがあるほかは慢性ウィルス性肝炎、アルコール性肝炎又は肝硬変に伴う肝脾症候群との鑑別が困難であり、その発生と塩化ビニルヘのばく露との関連について専門的検討を加える必要があるので、作業内容、従事期間、ばく露した化合物の種類、ばく露の程度、症状(肝機能検査血液検査等の臨床検査、病理組織学的検査、剖検等の所見を含む。)等を調査のうえ本省にりん伺することとされています。

その他の疾病

 塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した疾病のうち、以下の①から③までに該当するものであって、医学上療養を必要とするものについては、当該業務以外の原因によるものと判断される場合を除いて、労災と認定されます。

塩化ビニルばく露作業従事労働者に発生した労災と扱われるその他の疾病

①指端骨溶解

②強皮症様皮膚病変

③急性ばく露による障害

業務上外の認定

 塩化ビニルによる疾病は、急性の高濃度ばく露による中毒等の一部を除き、業務起因性の判断が難しいとされています。

 労災の認定に当たっては、以下の点について、詳細な把握・精査が必要です。

塩化ビニルによる疾病の労災認定に際し、把握・精査の必要な事項

①職歴

②作業内容

③ばく露した化学物質の種類

④ばく露濃度・期間

⑤臨床所見

⑥臨床経過

⑦病理所見


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